【毎週更新アニポケレポート】#1 「ピカチュウ誕生!」【11/17放送】
一話からリアタイできなかったせいで早速リズムができあがっておらず、結局ギリギリの更新になってしまった。忘れていたわけではないのだが……
出だしで悩んで書き上げれないのが一番愚かしいので、さっさと本題に入ろう。まだ一回目なのでフォーマットが確立できていないのだが、基本的には気になる点を時系列順にトピックで解説、紹介していく形になるのかなと思う
そして今作はなんと見逃し配信がある。これがある以上、なるべく早めに投稿して、読者が振り返りつつ読める形にしていけたらよいと思う(ギリギリだけど……)
ちなみにSM期も見逃し配信はあったのだが、なぜか初期にやったきりそのままなくなってしまったので、今回はそういうことが無いようにしてほしいなあ……。書きやすいし。
キャプ画はめんどくさいし権利関係とかちょっと嫌なので、たぶん使わない。
Aパート
サトシの声違和感ヤバ
幼い頃のサトシ(つっても2年前ぐらいだろうけど)だから松本さんではないのはわかるんだが、だとしても違和感がすごかった。なんならほんとにサトシかどうかママが写るまで疑ったもんね。
これは批判とかでは全然なく、改めて松本さんの凄さを実感した形となった。
ポケモンキャンプの存在
サトシの過去を書こうとするとやはりそういう話は全部後付け設定になるのだが、ポケモンキャンプの設定もその最たる例の一つである。しかしこれがあることによって「ゴウとサトシの邂逅はニアミスだった」「セレナはサマーキャンプでサトシと出会った」「ゴウもセレナもキャンプ出身なのに二人とも会ったことが無いし言及もない(メタ的に言えば当然なのだが)→サトシが一回寝過ごしてるから」という色々な点を解決できてしまう、良い設定だと思う。
森、ポケモン多すぎ
一昔前であれば「これはトキワの森なのか……?それにしてはでかすぎるだろ」「最終進化系がうろついてるわけないだろ!」というツッコミの対象になっていたのだが、今なら「ワイルドエリアみたいなもんか」と納得できてしまう。後述のカモネギのくだりにも言えることだが、今作(少なくとも今回)は剣盾を直接的にフィーチャーできない代わりに、こういった兼ね合いを差し込んでくるのが上手い。
でもやっぱりカントー縛りなのにピチューがいるのは違和感バリバリで笑ってしまうな……
ピチューまわりの設定
ポケモンを触ってたりスマブラを触ってたりすると結構「ピチューが電撃を撃つのが下手」というのは常識の類だと思うんだが、アーボに襲われるくだりの描写を挟むことで「ピチューがまだ未熟である」という要素が強調されていてわかりやすい。
ところでなんでピチューがほかの同族もいないのに一人でここにいる(描写を見る限り産まれたて?)のかの説明が無い。卵が運ばれてるときに一人だけ落とされて……とかいろいろ妄想は働かせられるが、たぶん関係ないから端折られているのだろう。いわゆる「説明付けはできるが本筋に関係ないので省略してもよい」というヤツである。
ガルーラと仲が良いという展開は色々考えさせられるが、後述する。
キャンプ開始
ドードリオとか、研究所まわりの地形とか、サトシの部屋の小物とか、このへんはかなり露骨に合わせてきてて面白い。
ここでゴウとコハルが初登場。かわいいね。
サクラギ博士
めちゃ自然に後付け設定が発生したけど、まあそれがしやすいのはポケモンというオープンワールドにおけるひとつの利点だなあと思う。
ゴウのキャラクターと「カモネギ」のセリフ
このキッズポケモン博士然としたゴウのキャラクター像、本当に小学生の頃の自分と重なってしまう……自分もこういう子供でした。こんな記事を書いてる以上今もそうかもしれない。
その上での「カモネギは進化しないじゃん」という、これが非常に良い。この記事を読んでいる読者の方々ならご存じだと思うが、カモネギは剣盾でついに「ネギガナイト」という進化を手に入れた(進化前のカモネギはカントー原種ではないので、厳密には異なるのだが……)。前述した剣盾要素だけではなく、知識だけは豊富にあるゴウが、旅によって新たな世界を知ることが既に示唆されていると言えるだろう(オーキドが知らないそぶりを見せたのはなんなんだろう……とは思うけど気にしない)。
コハル「そんなんだから友達できないんだよ」 その通りです……
ニドキングVSミュウ
ミュウ初登場。だがそれ以上に個人的にはニドキングというチョイスが気になってしまった。ニドキングといえば、赤緑のOPでゲンガーと戦っていたニドリーノの進化系である。そしてゴウのシャツにはゲンガーが描かれている……これはわざとか!?偶然なのか!?
野生のニドキングがいるというのも、前述のワイルドエリアのおかげで不自然に思わない。
「永遠の子供の象徴」としてのミュウ
いつになってもミュウのキャラはブレない。自分より大きいポケモンや人間を「創造主」「最初の(ポケモンという)概念」がきまぐれのままに弄ぶ様は、まさしく各神話に見られる創造神像(ゼウスが最もわかりやすいか)のようで興味深いのだが、ミュウはそれに加え「永遠の子供」「純粋無垢」という要素が見られる。これは「ポケットモンスターは永遠に子供へのコンテンツである」ことの照らし合わせに思えてならないのだが、根拠が無いし話が脱線するのでこのへんで。
ミュウが先かアルセウスが先か……みたいなのも個人的には結論が出ているのだが関係ないのでまたいつか。
Bパート
ポケモン同士の生態系
視点は再びピチューへ。ガルーラとラッキーが共生しているような描写は非常に面白い。これはゲームではどうしても直接的な描写が難しいので、アニメ特有だなと思う。
ゴウの夢とピチューの独り立ち
ここでようやくゴウが旅を目指す意味、すなわちこの一話の一番の意味にたどりつく。それまでの過程は自然であるように思えたし、必要だとも思う。
それと連なるようにピチューもガルーラの元を離れ、そのとき同時に進化する。この進化こそ大きな意味があり、なぜ一話でピカチュウの過去話をやるのか?という大きなアンサーだ。
ピチューからピカチュウへの進化条件は「懐き進化」であり、野生に住むポケモンがどのようにして誰に懐くのか?という一つの答えでもある。ピチューは「自分はガルーラたちにとって厄介なのではないか?」と考え、独り立ち、すなわち旅に出る。その瞬間に懐き進化の条件を満たすことは様々な考察が考えられるが、「自分が懐いていた対象を初めて心から尊いと自覚したとき」と捉えられるのではないかと思った。そして新たな出会いを求め、ピカチュウとなり旅に出る。この話は「ピカチュウの過去」というよりも「ピカチュウもまた自分の心の拠り所を離れ旅に出た主人公」であることを強調するのが大きな目的であり、「新たな拠り所としてサトシが選ばれる」というゴール(無印編第一話)へ結びつけるためには必要な過程であると感じた。ピカチュウへの進化を「旅に出ることを決意した証拠」として設置している。
この「進化は単に強くなった証というわけではない」という文脈は、SM期において、ニャヒートがククイ戦を終えた後にガオガエンへ進化したのと同義であるので、記憶に新しい読者も多いのではないだろうか。
また、懐き進化を巡る考察や独自設定としては「ポケットモンスターSPECIAL」の第9章(HGSS編)において、「トレーナーがポケモンのことを信頼していなければ懐いたということはできない」という回答も提示されており、やはり「進化とは何か」は扱いやすい、そして追及し続けていくテーマであると言えよう。
そして無印編第一話へ
ここでいつもの松本さんサトシが登場。冒頭で「声の違和感がすごい」と言ったが、ここで時系列が一話になったことを強調するためには必要な要素である。
もう一回サマーキャンプに参加してセレナと会ったぐらいの描写はあってもよかったかも。
一話の展開をすごい簡略化してんの、もう常識となってるっていう感じがあって良いですね。
しかしこの展開だとピカチュウが人嫌いなのはオーキドのせいになるのでは……?まあ「もともとポケモンに懐いていたから」がアンサーということなのだろう。そういう目で見てみると、ガルーラにずっと抱きかかえられていたピカチュウが突然赤の他人(サトシ)に抱きかかえられることに嫌悪感を示すのも対比になっているのかなと思う(流石に深読みだと思うが)。
ふくれっ面ピカチュウ可愛すぎか?
オープニング初披露!
別にぼくは歌い手に関して特に変な感情は持ってないので、純粋に良い曲だと思った。何も松本さんが歌えばよいという話ではない。
Cパート
制服のデザインヤバすぎるだろ。
クチバシティから始まるの、金銀と同じなので違和感なくて良いですね……
次回予告
ここで展開予想を繰り広げてもあんまり意味ないので、純粋な感想を。
・「え、ルギアだって!?」って驚くサトシ、つまりルギアのことを知っているということですよね……サトシがルギアと遭遇したのは3回(ルギア爆誕、光輪の超魔人フーパ、みんなの物語)だが、うち前者二つは同一個体であることが小説で明示されていた。今回はどうだろう。
(正確にはアニメで一回ルギアの親子に遭遇しているのだが、あれ無かったことになってるっぽいしなあ)
・レイドバトルだ!っていうのすごい今風で良い。ポケGO文脈でもあるし剣盾文脈でもある。
・ガブリアスとキリキザンが出てくるの、シリーズを跨いでいる感じがして非常に良い。
・二話にしてルギア!ルギアというポケモンは自由度が高いということはわざわざ記事にしたためているぐらいなので、ちょっとだけ嬉しい。
全体の感想
ぶっちゃけ事前情報だと「今更ピカチュウの話?」「SMとXYはいっぺんに二話やったのになんで……」などのいろいろな不安要素があったのですが、蓋を開けてみれば「ピカチュウもまた主人公である」というメッセージ(まさしくサブタイの通りである)に主軸を置いており、非常に良い一話だったと思う。ポケモンや人間の表情も非常に豊かであり、XY&ZとSMの特徴を2で割ったようなデザイン、イメージを持った。今からがとても楽しみである。