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【雑記】ゲーム下手なのにスマブラ依存症になって一年が経った

稀代の神ゲー大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」が発売されてもう一年と半月になる。

ということは、もう一年以上、中毒患者のようにこのゲーム、すなわちゼルダというキャラクターをプレイしていることになる。

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初めに断っておくが、俺は元スマブラプレイヤーでもなければ、格ゲープレイヤーでもないし、そもそもゲーマーではない。ゲームは好きだが全体的にどれもこれもへたくそだ。

そもそもスマブラの経験はXしかない。それも持っていたわけではなく、友達の家でひたすらやっていたというだけだ。そんなだから、回避の方法すらわかってなかったし、基本的に必殺技をブンブンしていただけだ。それでも楽しかった。

forは参戦キャラの情報すら追えど、プレイしようとは思わなかった(もう友人たちと集まるのも難しくなっていたし、集まったとしてもXで十分だし、Uを持っていなかったから、あの3DSの激狭画面でやる気にはならなかった)。

だから、「switchでスマブラ出します!」という予告(あの、インクリングが振り返ったら瞳にスマブラのマークが写るやつ)のときは、世のオタクほど大騒ぎはしなかったように記憶している。

 

 

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2018年6月。

www.youtube.com

 

今でもこの衝撃は覚えている。友人と二人で実況しながら大叫びして親に怒られた。

どんなにスマブラに適当に向き合っていても、全員参戦でブチ上がらないやつがいるだろうか?

この瞬間、即座「あ、これ絶対発売日に買お」と思った。あと今作のゼルダめっちゃ可愛いからゼルダ使お……と思った。ゼル伝やったことないのに。

 

 

そして気が付いたら12月になっていた。

かなり容量を食うダウンロード版(16GB)をわざわざ買い、発売日の0時からプレイした。あのタイムラインの一体感は本当に楽しかったし、大手コンテンツの醍醐味だろうと思う。

ただ、最初は、ほんとに、灯火の星だけで終わるだろうと思っていたのだ。あとはスピリッツをいっぱい取って、ほどほどでまあ飽きるだろう。強い人には絶対に適わないし、そもそも俺はゲームが下手だ。フォロワーとたまに遊ぶパーティーゲームとしてはこんなもんで上々だろう。

 

そのまま気が付いたら一年が経った。

あれ?

 

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この一年、ただゼルダだけを使って、ただ「アイテムなし/ストック2か3/終点化」でひたすらにオンラインに潜り続けた。それ以外のルールはやっていない。

 

初期こそゼルダ以外のいろんなキャラを使ってみたものの、もうしばらくするとゼルダしか手に馴染まなくなっていた。

最初は可愛いからという理由で選んだはずなのに、もうその必殺技すべての虜になっている。汎用性最強のネール(通常必殺技)、自由自在のディン(横必殺技)、復帰にもフィニッシュにも使えるフロル(上必殺技)、そして何より2VS1に持ち込めるファントム(下必殺技)。

 

このファントムという技が、想像以上に自分に合っていた。そもそも、ゴーレム使役みたいな能力が好きなのだ。反転させたり、途中で発射させたり、復帰に合わせて置いたり、上手く使うことができれば本当に楽しい。まさしくもう一人の自分。

 

……いや、そんな性能面のことはどうでもいい。大事なのは、あの「チキチキチキチキ……ガション!」の音と、それに合わせたコントローラーの振動。あれだ。あれが異常に病みつきになるのだ。俺がスマブラをやる理由は、このファントム発射と、クリーンヒットしたイナズマキック(空中攻撃)に集約されると言っても過言ではない。

他のキャラの動きを覚える前に、もうこれらしか扱えない身体になっていた。

 

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これまで熱くスマブラゼルダについて語ってきたが、では実際の戦闘力はどうなのかというと、これは大したことが無い。執筆現在だと450万~550万をいったりきたりしている。そんなのが一年続いたのだ。永遠にVIPに上がれない、一番中途半端な層といってもいいだろう(本当は初期に一回だけ上がったのだがすぐ落ちてしまった)。

 

理由はわかっている。何も考えていないからだ。

 

もう完全に手癖でプレイするようになってからどれだけ経っただろう。コンボは碌に覚えていないし、キャラごとの対策とか全然知らないし、身内と数戦やったら完全に動きを読まれるのでボコボコにされるし。こういうところが根本的にゲームに向いていないのだ。特にこういうリアルタイムでのコマンド操作が求められるゲームには。

 

だがこの、「何も考えなくていい」というのが、今でもスマブラを続けている最大の理由になっている。

 

もちろん勝ちたいし、戦闘力が下がったらイライラするし、上がれるものならVIPに上がりたい。だがそれ以上に、俺にとってはあのファントムの振動を味わうものになっているのかもしれない。例えるならハンドスピナー。俺にとってのスマブラハンドスピナー

 

実際、スマブラをやっているときがなんか一番頭が冴えていて、悩み事や脳内反省会や自分なりの考え(大仰に言えば哲学)を整理、言語化するときは、いつも決まってスマブラを手癖で起動している。

 

そしてスマブラではそれを環境レベルで否定されることがない。

例えばカードゲームやポケモンなんかだと、ずっとある一つの戦術やコンボ(この文章中で言うなら、これはファントムに値する)を使い続けようとしても、メタられるようになったり、環境が変わったり、そもそもパーティやデッキを突き詰めるとそれらが抜けたりしてしまう。そうではない、俺はファントムを使い続けたいのだ。何も考えず、ただ手癖で、ゼルダの技を撃ちたい。それをスマブラはもう一年間も叶え続けてくれたし、これからもそうだろう。

だいたい、これらのゲームはもう一つの何かをマルチタスクで考えるようにはできていない。そんな器用なことは俺にはできない。対戦をするにあたって何を用意する必要もない。もう目を瞑ってもマッチング待機画面まで行ける。

 

当然、スマブラで本当に勝ちを目指すならそんな簡単にいかないことはわかっている。そんなことはどのゲームでも同じだ。だがスマブラはこんなのでもVIP手前にいることを許してくれた。もうそれだけで十分なのだ。

 

***

 

こうして振り返ると、自分の思っていた以上に生活の一部だった。キモイなあと思う。みんな他のゲームでいっぱい盛り上がっているのに、俺だけいつもスマブラに帰ってきてしまう。そこには何も新しいものも落ちていないし、挑戦する気ももうない。ゼルダを手放すつもりも無いし、ほかのキャラを同じぐらい上手くなろうという気もない(4人ぐらいでわいわいやってると、ほかのもちょっとは使えるようになろうかなとは思うが……)

だがそれでも、愚かだとわかっていても、忘れられないのだ。あのファントムの振動、キックの快感、フロルフィニッシュでアップになるドヤ顔のゼルダ。そのすべてが今もなお俺の心を掴み続けている。これを依存症と言わずしてなんというんだろう。

 

 

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ああ、書き終えたら、またスマブラがしたくなってしまった。ファントムが俺を呼んでいる。