鬼火電磁波痛み分け

Oの数は多い方が良いとされる

【毎週更新アニポケレポート】#5「カビゴン巨大化!?ダイマックスの謎!!」【12/15放送】

はじめに

早く出す!とか言いながら結局こんなに遅れてしまった。うーん、申し訳ない。次こそは……ほんとに……

話は変わるが、前回の記事で初めてコメントをいただいた。このシリーズ、ぶっちゃけ数値(アクセス数やRT数)としてはあまり反映されていないので、そういった感想は本当に励みになる。これ誰かが読んでるのか本当に不安になってしまうので……

 

 

 

 

かんたんあらすじ

巨大化するポケモンを観察するために、ついにワイルドエリアに到着したサトシとゴウ。「図鑑よりちょっと大きめなカビゴン」を見つけるも、巨大と呼ぶにはあまりにも微妙だった。一方ゴウを追ってきたヒバニーは、駅を降り損ねるなど紆余曲折ありながらもついにゴウと再会する。だがそこで告げられたのは、最初にゲットするポケモンはミュウと決めているという決意だった。

そのとき、目の前のカビゴンが突如赤い光を放ち、とてつもない大きさに巨大化する。そのせいで線路が塞がれているので、どうにかしてこのカビゴンをどかさなければいけなかった。二人は、カビゴンの上に生えた木にぶら下がってる木の実を見て、巨大化する前、落ちてきた木の実を取るために大きくジャンプすることを思い出し、四人で力を合わせて見事カビゴンの口に木の実を入れることに成功、衝突事故は免れた。ゴウはこの事件でヒバニーの魅力を再確認し、最初にゲットするポケモンとしてヒバニーを選んだのであった。

 

OP前パート

◆ヒバニーの設定描写

前回描かれていたヒバニーは、「クスネたちのリーダーとしてのヒバニーの役割」という面が大きく、ヒバニー本来の性格を描いたものではなかった。OP前のこの寸劇は、それを描くためのものだ。「気づいてほしいが自分からは行きたくない」「実はおっちょこちょい」「未知のものは怖い」「悪戯が好き」、そして「不憫設定」。これらの要素はこの後にほとんどがもう一度利用されることとなる。

 

◆雑多な感想

・ゴウの育ちの良さ……いやこれはサトシが蛮族すぎるのか?

・野暮なツッコミだが流石に気づいてやれよ!とは思ってしまうな……

・事故とはいえあんな醜態を晒した給仕さんの行く末をちょっと心配してしまった

 

Aパート

◆ヒバニーの試練

ここでヒバニーが降り損ねるのは、前述したヒバニーの性格の描写でもあるのだが、同時に前回の展開の補完として重要な役割を担っている。

前回、ヒバニーが電車に乗ることができたのはクスネたちのおかげだ。ヒバニーはゴウについていくという決心を自らして乗ったわけではない。また、冒頭の描写のように、結局ヒバニー未だその勇気を踏み出せていなかった。すなわち、明確な自分の意思で、「試練」を乗り越える必要がある。電車の窓から飛び降りるという行為はそのメタファーとして十分であるし、さらに穿った見方をすれば、レールを逆走するという行為は敷かれた運命から外れ抗うことだ……と捉えることもできる。

まあ、これはあくまで解釈のひとつなのでこれが正しいと言うつもりは無い(断言するには材料が少なすぎる)が、とにかくレールの上を走られるとそれぐらいのことは考えてしまうのだ。オタク文脈的に。

 

◆ワイルドエリアの描写

最高~~~~。これに尽きる。ただでさえ従来のゲーム描写の枠を超えて様々なポケモンの生息を観測できたのに、さらにそれをこうやってアニメに落とし込まれると素晴らしさしか無い。生息するポケモンもきちんとゲームにある程度合わせてきているのが印象的だ。カントー地方の描写にも同じことが言えるが、地方を多く跨ぐ関係上、そういった辻褄合わせはより一層重要になってくるだろう。

いちいち図鑑でチェックしていくのも、ゲームで実際に図鑑埋めでお世話になっているので説得力もあるし、感情移入もしやすい。まさかアニメの図鑑チェックフェイズにここまで感情移入できるとは思わなかった。

 

◆個体ごとの大きさ

ポケモン図鑑に大きさや重さが記されているのはいわゆる怪獣図鑑のノリなので、すべてのポケモンがその大きさに準ずるわけではない……ということは実はゲームでも結構描写があった。ドジョッチヘラクロスの大きさで勝負するNPCがいなかっただろうか。

だが、それが大きな要素として日の目を見たのはやはりポケモンGOからであろう。大きさの数値は、個体値という実際に何を表してるのかいまいち可視化することが難しいものよりもわかりやすい。後に「Let's GO! ピカチュウ/イーブイ」にも逆輸入されたものの、ここの描写は明確にポケモンGOの文脈だと言ってよいだろう。

そして意外にも、というか思っていたよりも、ワイルドエリアとの相性が良い。ポケモンGOサービス開始当初は、大きさの数値はあんまり好きではなかったのだが、今となってはなるほどこのような利点もあるのかと感心する。

 

◆オボンの実の落下

ここらへんの展開は本当に上手いと思う。ヒバニーに気づく要因と、後の「勝利条件への気づき」のための伏線、その二つを見事に繋げ合わせている。流石にピカチュウが上から見たらヒバニーに気づくだろ!ということを除いては、シナリオに不自然な点が存在しない(いや、正直ヒバニーに気づかないのはかなり無理があるが……まあこれはどちらかというと野暮なツッコミに入る)。

 

◆「最初のポケモンはミュウって決めてんだ」

あそこまで頑張ったのに結局一回はゴウに振られてしまう。試練を乗り越えた後には一度挫折が待っているからだ。流れこそスピーディだが、抑えるべき要点はしっかりと抑えていて、かなり丁寧にヒバニーの加入を描いている。

 

◆「赤い光」の表現

ゲームとは大幅に違うが、正直ゲームよりもわかりやすい。ゲームのレイドバトルは「ランダム性(俗的に言うならガチャ)」がどうしても必要になってくるため、巣穴という表現になっているが、やはり最初見えていたものが対象になるほうがワクワクする。これは何もゲームをそうしろと言っているわけではなく、メディアによる演出表現の長所短所というだけの話。

 

◆雑多な感想

・ワイルドエリアの中に線路敷くのはまずいだろ!止まりまくりそうなもんなんだが

・よく考えてみればカントーに踏切は無いから赤い光をサトシが勘違いするのもしょうがない……いやそうか?

・展開の都合上しょうがないんだけど、大きさまで律義に読み上げる図鑑面白すぎる(野暮)

 

Bパート

◆キョダイカビゴンとメディアミックスの話

ここで少し本筋とは離れてしまうが、キョダイカビゴン周りのメディアミックスの話をしておこう。

そもそもカビゴンのキョダイマックスは剣盾発売当初は存在しておらず(正確には、データはあるが登場するようにプログラムされていない)、発売から一か月ほど経ったタイミングで、これが出現するレイドバトルが登場した。ソシャゲ文脈的に言うなら「実装」というやつだ。つまりしばらくの間、このキョダイカビゴンは幻のポケモンと同じ立ち位置にいた。

ということは、ほかのメディアでも隠されていなければいけない。例えばポケモンカードゲームだ。ポケカでのキョダイカビゴンの実物画像の発表と、発売後PVによるビジュアルの発表は完全に一致しており、ここまできっちりと合わせてきてしかも統制が取れていたことに正直かなり驚いた(ポケカはSMシーズンで、御三家の最終進化が写った商品画像を発売前に出してしまうという失態を犯しているので猶更……)。

そしてその流れには当然アニメも入っていた。というのも、実は第五話でカビゴンを扱うことはすでに判明していたのだ。

 このツイートは11月7日、つまり剣盾の発売二週間前というかなり早い段階(まだアニメはSM期)で公式から出されたものだ。このときからすでに、あらゆるメディアにおいて、キョダイカビゴンを発売直後のメインにするための伏線貼りが行われていたことが十分に読み取れる(ていうか今読み返したら思いっきり巨大カビゴンって書いてあって笑った)。

映画などで新ポケモンが出たときは当然映画が先行するので、ほかのメディアはそれの後発というか、「まあそりゃ新ポケモンを話題にするよね」みたいな空気があるのだが、今回のキョダイカビゴンに関してはすべてが一斉だったため、これまでのそういった展開とは一線を画していたと言える。

 

◆サトシ「山じゃん!」

あ~~これめっちゃいい。ゲームでは限界があるダイマックスの巨大さを端的に表すコメントとして最適。

「木だって生えてるし!」というコメントも良い。これ、「木が生えること」という事象にはあんまり驚いておらず、「木が生えるぐらい山っぽい」というだけのニュアンスに聞こえる。そう、ドダイトスを始め、この程度のトンデモはポケモンには日常茶飯事なのだ。このときサトシの脳裏にはドダイトスが思い出されていたのかな……とか考えるとちょっと嬉しい。

 

◆「木のみを食べさせる」という勝利条件

これはAパート解説でも少し書いた。表現の難しいであろうキョダイマックスレイドをどう演出するのかと思ったが、話の序盤で伏線を貼り、普段のバトルとは違う勝利条件を設定するのは、なるほどと感じた。一話完結の強みも活かしている。またその上で、「ダイマックスと同じく制限時間がある(レイドには無いが)」「4人で戦う(サトシ/ピカチュウ/ゴウ/ヒバニー)」などの条件も揃っており、アニメなりのレイドバトルとしてはかなり良い形に思える。これを毎回やるわけにはいかないだろうが……

ただまあ、野暮を承知で言うなら、正直かなり細部に無理がある。地上からカビゴンの上に瞬間移動するヒバニーとか、そもそも鉄道を止めるシステムがあって然るべきだろとか……この辺は一話完結なのが逆に裏目に出るパターン。仕方ないことではあるのだが……

 

◆ヒバニーへのにどげりの指示

さて、Aパート解説において、「ヒバニーは試練→挫折のステップを踏んでいる」と書いた。となれば次に待っているのは「解決」及び「承認」だ。すなわち、これまではずっとヒバニーがゴウを求めていた構図だったのが、ここで初めてゴウからヒバニーを求める方向へと矢印が変わる。これこそが最もヒバニーが求めていたものであり、だからあんなに嬉しそうな表情をしたのだ。また、上で「四人で一緒に攻略する図はレイドバトルと同じ」と言ったが、逆に言うとヒバニーが技を出して参加しなければ、四人一斉に参加したことにはならない。このときゴウは初めてヒバニーが参加することそのものを認めたのである。

 

◆ヒバニーゲット

ここまでさんざん説明してきたように、ヒバニーについてはかなり丁寧に描写されており、その終着点となるのはやはりゲットのシーンだろう。やはり彼(彼女?)も同じく、自分からボールを押すことで捕まったが、言うまでも無くサトシのポケモンと同じような流れだ。何度見ても感慨深い。一種の儀式のようなものだからだろうか。この過程を経るだけで、"主人公"感がすごく増すと思う。

 

◆「ただいまー!」

えっ帰ってきちゃうの!?ああ、そう、別にいいけど……なんかもうちょっといるもんだと勝手に思ってたな…新作の地方だし……「色んな地方を行く」って結構短い間隔でいろいろつまみ食いするんすかね、まあまだ序盤だからわからんけど……

 

◆雑多な感想

・いくらなんでもサトシがワイルドすぎるだろ きのみにしがみついた状態からあの角度でジャンプはできん!(千鳥)

・一貫してきのみとしか言わないが、プレイヤーからするとオボンの実としか思えない形状なの好き

 

あとがき

遅れたからってわけではないのだが、結構大事な今回はちょっと書きたいことが多かったため5000字を超える文量となった。毎回これぐらい書ければ読み物として上出来だろうかという思いと、ここまで書いてもやっぱりまだ全然読み取れて無いな……という不完全燃焼感がある。ゴウ周りは特に。どちらかというと、言語化するまでいまいち落とし込めてないなという感じが強い。それにそもそもまだ文章の書き方でいろいろと迷っている部分がある。まだまだだな~。

 

遅れてることに関する言い訳ではないのだが、冒頭にも書いたが感想やコメントなどは本当にモチベーションに直結するので是非……お願いします……。

 

【前回】
tenloooooooow.hatenablog.com