鬼火電磁波痛み分け

Oの数は多い方が良いとされる

【アニポケ振り返り感想】#19「ワタシはメタモン!」(3/30放送)

はじめに

う~ん、結局無料期間内に書けたのは二話だけだった。不甲斐なさが悔しい。

もう見れない回の回顧録を書いてもあんまり意味が無いので、いっそリセットして最新話から書くことにした。今度こそ続けばいいが、果たして……(これを書いてるのがすでに土曜日であることからもかなり怪しいが)


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あと今回から手間ではあるが、公式動画のスクショを記事内に使用する……ということをやってみたい。わかりやすさもそうだが、こうすることで「公式動画が出てるうちに書かないとな……」と自分を追い込む理由にもなる、というのが本音。

それって著作権とか大丈夫なんですか?というのはまさにもっともで、そこが嫌だからこれまで使ってこなかったのだが、「引用であれば問題は無い」「コピーライト表記すれば大丈夫」「引用元動画が生きてるかどうかは関係ない」らしく、試験的だが導入してみようと思い立った。使用に関して参考にしたのはこちらのサイト。

アニメブログの画像引用で違法と言われない著作権法のポイント - アニメとスピーカーと‥‥。

 

 

かんたんあらすじ

映画監督の凄みにやられて、スランプに陥り変身が上手く行かなくなってしまった女優メタモン。逃げ出したところにちょうどロケット団と出会い、変身を悪事に使おうとする彼らの元で練習するも、やはりうまくいかない。だが彼らの機転により「緊張をほぐせばうまく行く」ことを発見し、さっそくサトシのピカチュウで実践するも、見破られてしまった上に、元のトレーナーにも見つかってしまう。これまでメタモンはクビになったと思い込んでいたロケット団は、長い沈黙の末、一芝居打ち、自分たちがやられた体で、メタモンを元の道に戻してあげることを決意する。メタモンロケット団から教えられた方法でスランプを脱却し、女優として復帰するのだった。

 

今回捕獲したポケモンコラッタ

OP前パート

◆双子のサーナイト

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

やっぱりサーナイトは作中世界でも「そういう需要があるポケモン」として見られてるのが面白い。それまでのポケモンにはマスコット的可愛さを求められているポケモンこそ多けれど、サーナイト的な需要を見越して作られたポケモンはいないように思うので、転換点とも言える存在だと思うことは多々あり、これもその一つである。

それはそうと、ダーテングサーナイトと並べられるとどうしても時勢的に救助隊DXのメンバーだと感じてしまう。カラカラ回のマンキーとか、そのあとのゲンガーとか……まあ、偶然だろうけど。

 

◆映画作成回

アニポケは結構頻繁に映画回をする気がする。まあ今回は「映画(現実)の宣伝」という意味合いはないから、サトシたちが映画を作る回ではないが。

 

◆女優メタモン

当ブログでは何回も言っている気がするけど、そのポケモンにしかできないという職業がとても良い。これをゲームでなるべく再現しようとしたのがポケジョブなのかなあとも思う。これが特撮的な手法なのか、普通に使われてるのかとか、すごい興味がある。

ところで、ご存じの通りメタモンに性別はないわけだが、やはりこれはトレーナーが勝手にそういう設定にしてるということなんだろうか。これはあまりゲームでは再現できない部分なので、そういう設定付けが可能なのは少し羨ましかったりする。

 

◆女優ムサシ

ムサシ、女優業に関しては本気だからなあ。そういうとこがロケット団の人情的な部分を形作ってるし、サトシと共闘しやすくなる理念的な部分でもあるから、ニクめない。そして今回はそこにフォーカスを当てた回なので、外れるはずがないってわけ。

 

Aパート

メタモンの変身をアニメで描くということ

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

これは結構忘れられがち(知られて無さがち)なのだが、そもそも、メタモンが変身しても顔はメタモンのままである……というのは、「本物とメタモンが同じ姿だと作画上意味が無いしめんどくさい」というアニメにおけるメタ的な理由であり、現在グッズ化が多くされている変身メタモンシリーズにも、「ちょっと変身がへたなメタモン」という設定付けがちゃんとなされている(だってゲームだと完璧に変身するじゃん)。

だが、今回の話のように、そのメタモン顔が残ることに重点を当てた回というのは珍しい。SM期におけるメタモン回(46話「変身メタモン、探すんだモン!」)においては、「ヌオーと顔がほとんど同じ」というややメタなネタが使用されたりもしたが、顔が残る点については「そういう個体」という前述のグッズ化と同じような理由であり、別に変身が上手になったりはしない。

だが今回のように「そもそもメタモンの顔が残るのはメタモンという種族的には問題だよね」ということがメインであるシナリオは、メタモンが初めてアニメに登場した無印編第37話「メタモンとものまねむすめ」と同じであり、「ロケット団によって変身できないスランプから脱出する」というところまで一緒(別にロケット団は変身を治したい意図があったわけではないが)。たぶん明確なオマージュだろう。しかもさらに「化ける、演技するとはどういうことか」というメッセージ性を絡ませており、さらにさらにムサシの女優業の話を持ってきてロケット団の「愛と正義の悪を貫くとは何か?」というところまで描写しきってしまう……というのは巧すぎて言葉が出ない。この記事で言いたいことだいたい言ってしまった。メタモンに女優という設定を足すだけでこんなにロケット団(というかムサシ)と相性が良いとは思わなかった。

 

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

しかし落ち込むメタモンがかわいすぎる。 

 

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

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既視感の正体。

 

◆「グレイシアちゃん」

ニャース基準における「かわいいポケモン代表格」は、サーナイトやグレイシアやミミロップが該当する……というのは、SMの描写(ミミッキュに見せられた悪夢)が初出だったように記憶しているけど、この設定まだ生きてんのかな。

 

◆女優スイッチが入ったムサシ

ムサシは女優としては認められているし本気である、ということだけでも覚えて帰ってください……みたいな回。

 

◆「マジックのふりしてポケモン奪っちゃいます作戦」

めちゃめちゃ理に適ってて笑う。効率はともかく……

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

 

これミミッキュっぽいなあって思って勝手にエモくなっていた。たぶん偶然だけど。

しかし失敗しても「場数よ場数!」といって気にも留めないロケット団、やはりポケモンにはめちゃめちゃに優しいヤツらである。いい上司すぎる。あとこのへんはめちゃめちゃテンポが良くてすごい。SMのメタモン回は「いっぱいポケモンがいるところにメタモンが逃げる」という方法で様々なメタモン顔を披露していた(それが目的だから)が、今回はまた別の理由でいろいろなポケモン(ちなみに変身先はイーブイヒメグマニョロモハネッコ→ウパー……なんか二世代までに偏ってない?)に変身していて、そこのバリエーションの幅すごいな!と思ってしまった。

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

ヌオーネタはもうSMでやっただろ!!!

実はハネッコといいウパーといい、なんか二世代はメタモン顔のポケモンが多い。

 

Bパート

◆「緊張すると変身できないってことか?」

ここからの、みんなが緊張緩和方法を教える(コジロウがオチ要員になる)→メタモンのも用意する→「いいぞ!お前ならできる!」→トライアンドエラーで何回も試行する→「俺はできる子だって信じてたぞ!」………テンポ良すぎ!!!ストレス貯まらない展開だしここほんとすごい。メタモンを探している描写をアイキャッチ(?)として挟むのも評価高い。シナリオの運び方として巧すぎ。この回に限ったことじゃないけど。

 

◆各々のメタモンでやりたいこと

ムサシ……「大きなポケモンボーマンダ)に乗せてもらう」

コジロウ……「強いポケモンになって守ってもらう」

ニャース……「尾行も潜入もお手の物」

ソーナンス……「(メスのソーナンスを想像)」

ムサシとニャースはまあ順当だとして、コジロウはそっち側の想像なんだ……というのがかわいくて意外。

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

ソーナンスメタモンでやることで♀を想像するのは……やっぱりメタモンってそういう本能に訴えかけるタイプのポケモンなんですかね。実際、メタモンが自然繁殖においてどういう役割を持っているのかとか、そもそも自然繁殖に♂と♀とタマゴは必須なのかというところからもうわかんない(意図的にボカしてある)(そもそもタマゴはタマゴという存在であって、卵ではない)ので、このへんは妄想設定を補完するだけではあるが、いろいろと考えさせられてしまう……

ソーナンスの雌雄差が「♀に唇模様がつく」というめちゃめちゃ安直なやつだったのは、DPプレイ当時すごいツッコんだけど、XYのソーナンス回(63話「迷い道は分かれ道!?ムサシとソーナンス!!」)でもソーナンスカップルが描かれているように、それが一周回って「雌雄差のわかりやすいポケモン」というアイデンティティとしてちゃんと確立されているのはなんだかおもしろい。

 

◆「いや違う、ピカチュウじゃない!ピカチュウはどこだ!」

流石サトシ~~~~って感じの描写。そう、これわかるサトシが異常なのであって、わからないゴウが普通だからね。メタモンの変身は完璧であるが、サトシの眼はごまかせない……という、どっちの格も落とさない良い描写。

サトシが「大量のピカチュウから自分のピカチュウを一瞬で見つける」という実績は、「光輪の超魔人フーパ」でのシーンが思い出されるのだけど、それ以外になんかあったっけ。

 

◆なにこれ

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

なにこれ?

 

 ◆長い沈黙とムサシの決断。

メタモンがクビになったわけではないと判明したのち、アジトに帰ってからのシーン。ロケット団のエッセンスがすべて凝縮されていて、言葉にできない。ムサシ自身が自分の夢を追い敗れた経験を持つことから、自分のポケモンには夢を追いかけて叶えて欲しい……というキャラクターであることは、前述のソーナンス回のように、様々な回で描写されており、今回もその系譜であることは言うまでもない。そんなにポケモンのことを思っているのに他人のポケモンを取るのは何が違うんだよ!とツッコミたくなると思うが、大事なのはロケット団という自分たちのエゴにわざわざ付き合ってもらっている」という意識であり、同時にこれは「自分たちの活動は紛れも無い悪である」という自覚の証明だ。「メタモンにはまだ悪の道に行かなくても良い道が開かれているのだから、自分たちと同じにはなってほしくない」、これが、たまに登場するポケモンハンターとか悪の組織とかとの最大の違いなのである。

 

ロケット団最大のスーパーステージ

これほんとに感情がぐちゃぐちゃになって泣いちゃうんだけど……

・身代金の要求……むしろなぜ今までしなかった!?と言いたくなるが、これについては明確な回答がある。すなわち彼らは「愛と真実の悪を貫く、ラブリーチャーミーな敵役」であり、「目的のためなら、愛と友情も平気で踏みつける、極悪非道の悪者軍団」では決して無いのだ。

・「あんた(メタモン)はここで引っ込んでなさい」:「自分たちが退場することで完成するから」というのもあるのだが、やはりここでは前述したように「メタモンには手を染めて欲しくない」という思いが見える。なぜなら彼らはロケット団ではなくスーパーロケット団、極悪非道の悪者軍団であり、サトシ達のほうが善だから。

・サトシにウインクで合図するムサシ:こういう関係性!こういう関係性だよ!!サトシとロケット団ってのはさ……。そして、この自分たちがわざと犠牲となることで、仲間を元あった場所に返す……という流れは、かの有名なAG編6話「ロケット団!みだれひっかきでサヨウナラ!!」と同じであり、なんかもうロケット団エッセンス濃すぎてこっちまで爆発してしまった。

・「誰に言ってんのよ、私は大女優なのよ」:うわ~~~もう「ムサシの女優業はギャグではない」だけで満点なんだけど、そのあとの「将来ある女優か……がんばんなさいよ、メタモン」の一言がすべてを物語りすぎている。もう「ムサシがメタモンを自分に照らし合わせて、夢をあきらめた自分の分まで頑張ってほしいと思っている」ことは明白もいいとこなんだけど、それをまったく口に出さないってのが最高。ムサシ~~~~~お前~~~~~

・なぜ素直にメタモンを返さないのか:ここまで決意が固まってるならもう素直に返せよと言いたくなるがそれではダメなのだ。メタモンの前で、彼らはしっかりと"悪"として退場しなければならない。彼らは彼らなりの信念を持って貫き通したが、負けてしまったという体を、芝居でもいいから突き通さなければいけなかったのだ。果たしてそれが芝居だということに、メタモンが気づいていたのか?それは描写されていない。だが仮に気づいていたとしても、女優の大先輩としてムサシがお手本を見せることができた、それもまたひとつの目的だったのだ。

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

 

ロケット団が笑顔で吹っ飛ぶ回は神回。 

 

◆「ロケット団メタモン、別れはしたが、過ごしたひと時の思い出は、いつまでもメタモンの心に残ることだろう」

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©Nintendo・Creatures・GAME FREAKTV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

最高のナレーション。ロケット団の「真実の悪」ではないもう片方の部分、「愛」は、ポケモンにはちゃんと届いているのだ……えーんえん。

 

あとがき

メタモンがかわいいだけで100点なのに、外れないロケット団回だったもんだから、いつもの三倍ぐらい気合が入ってしまった。もうほんと、最高ですよ、最高……最高過ぎる。ありがとうポケットモンスター(新)……

 

おまけ。

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【次回】

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(二か月前ですが……)